姉弟の可愛らしいケンカのお話
弟の秘密 川端康成
猫好きのお姉さんと、犬好きの弟くんはいつも口げんかが絶えません。
姉弟の家では猫を飼っています。犬を飼うと猫とケンカをしてしまうかもしれません。
お姉さんは犬を飼うことに反対なのですが、犬がほしくてたまらない弟くんは、毎日お父さんに「犬を飼ってほしい」とおねだりします。
そんな弟くんでしたが、ある日を境に「犬が欲しい」と言わなくなりました。それに伴(とも)ない、いつの間にか猫のえさが減っていたり、どこからか犬の声も聞こえてくるようになったのです。
「ははあ、家族に内緒(ないしょ)で犬を飼ってるな」と丸わかりなのですが…お父さんとお母さんは気がつきません。なんとも おバカな 微笑ましい両親です。
そんなこんなの可愛らしい小説なのですが、クライマックスは想定外でした。「おおっそう来たか」てな感じで、さすが川端康成だと思いました。
少年少女向けの川端文学です。文句なしにおすすめします。
だけど植木屋さんも鳴き声で気づくよね。鳴かなかったのかななんにせよ、のん気で素敵な、ほのぼの家族のお話です。ほっこりしました。
う~ん・・・。たまにペット用バスケットに入ってるのを見かけるけど、あんまり鳴かないのかもしれないね。
参考文献
川端康成全集 第十九巻 新潮社