長持ちする芸術と消えもの
金閣寺 三島由紀夫
彼は永保(ながも)ちする美がきらいなのであった。
たちまち消える音楽とか、数日のうちに枯れる活け花(いけばな)とか、彼の好みはそういうものに限られ、建築や文学を憎んでいた。
この概念を「声優の仕事」に置きかえると
舞台や朗読劇、TVニュースのナレーションは、たちまち消える部類に入ると思います。
長持ちするのは、アニメや外国映画の吹き替えでしょう。
先輩声優【劇団所属の俳優】から聞いた話なんですが、以前は、お客さんから拍手をもらえる舞台の仕事にくらべて、
アニメや外国映画の吹き替えは〝消えもの〟と呼ばれて人気がなかったそうなんです。
近年は、ビデオやDVDの普及で、アニメや吹き替えは消えものではなくなりました。人気劇団の舞台も、録画して販売されるようになってきましたね。
また、声優志望の人たちも、舞台よりも声の演技がしたい割合が、昔に比べて増えました。
声優の仕事も時代の移り変わりを感じますね。それでは、また。